(1)高信頼度情報通信システムを構成するためのLSI回路の検査方法として、被検査回路の出力をハミング符号化し、見逃し誤り率を近似的に0に保つ方法を考案し、平成6年6月ノルウエイにおけるIEEE情報理論国際シンポジウムで発表した。またより誤り訂正能力の高い巡回符号を用いる方法についても検討したが、ハミング符号が十分な誤り検出能力を持つことがわかった。 (2)LSI回路をテストする並列入力を従来の一次元擬似ランダム系列から構成する方法に対し、二次元擬似ランダム平面から構成する方法を考案し、平成6年11月オーストラリアで開催されたIEEE情報理論とその応用学会で発表した。またそのハードウエア実現に関する研究を行い、現在平成7年7月パリで開催されるAAECC(誤り訂正符号とその応用)シンポジウムに投稿中である。 (3)回路中に生じた誤りを自動的に検出する自己検査性回路設計については、直行符号の自己検査性設計の研究を行い、現在平成7年6月米国西海岸で開催されるIEEEフォールトトレラント技術国際シンポジウムに投稿中である。 (4)スペクトル拡散通信方式に関しては、M-ary/SS方式の同期捕捉の問題を研究し、平成6年12月広島で行われた情報理論とその応用学会で発表した。また現在平成7年9月カナダで開催されるIEEE情報理論シンポジウムに投稿中である。 (5)ネットワーク設計に関しては、パケット送信要求の大小に応じたパケット送信確率の制御により、スループットを向上させる方式を研究し、その効果を確認した。
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