研究概要 |
北海道統合通信網の構築のために,PC-USAT方式を組み込んだ低速情報/静止画像同時伝送方式、降雨、降雪による衛星信号減衰特性の測定のための測定系の充実などを実施した。 1.低速情報/静止画像同時伝送方式の回線制御方式の改良 (1)PC-USAT方式を組み込んだ低速情報/静止画像同時伝送方式の回線制御方式について検討した。従来の同時伝送方式では、低速情報/静止画像データを順次衛星回線に送出していたため回線保有時間が増大した(約150msec)。これを改善するために低速情報/静止画像データを一度メモリに蓄積し、圧縮を行った後に衛星回線に送出する方法を開発し、回線使用時間を大幅に短縮(約30〜50msec)することが可能となった。(2)端末と多重化装置、変復調装置との間の同期方式(クロック同期、調歩同期方式)について、回線使用時間の短縮の観点から検討を行った。 2.降雨、降雪による衛星信号減衰特性の測定のための測定系の充実 (1)本年度購入したスペクトラムアナライザを測定系に導入し,V/H偏波間の測定を可能とした。 (2)JCSAT中継器のV偏波測定にはVSAT用IDUを用いているため、周波数変動の問題はなく測定でき、1地球局で複数の64kb/sQPSK波を受信受信することによ減衰測定法により長期データを収集している。 (3)JCSAT中継器のH偏波測定には直径2.4mのアンテナを用いて測定していたが、周波数変動の問題が発生した。その原因追究のために同軸ケーブルの取り替えやスペクトラムアナライザの精度、制御ソフトの検討などの調査を行ったが、最終的にはLNA(低雑音増幅器)の温度特性が悪いためであることが判明し、これを特性の良いものに取り替え、問題を解決することができた。以降、測定を継続している。 3.成果の発表 北海道統合通信網,PC-USAT方式、低速情報/静止画像同時伝送方式、降雨、降雪による衛星信号減衰特性など、これまでの研究成果をまとめて,IEEE Trans..OnMTTの論文として投稿(VSAT特集)し、採録され7月号に掲載される。その他、国際学会発表、大会での口頭発表などを行った。
|