本研究テーマの目的は、HBS(ホームバスシステム)情報ネットワークに関する以下の内容である。 (1)筆者らが提案した3層の適合性試験法を応用して、7層の適合性試験法を定義し、その有効性の実証実験を行う。 (2)7層に関連して、ISDNとHBSのゲートウエイをを試作し、ISDNとの融合性を研究する。 平成6年度の具体的な研究実績は、以下のようである。 [目的(1)について] 7層のHA端末として(1)コミュニケーション系(CT系)(2)ハウスキーピング系(HK系)(3)オ-ディオビデオコンピュータ系(AVC系)があるが、これら多種類の7層に関するコマンド類とプロトコルを試験するためのデータベースを構築している。又、7層の適合試験システム(CTS:Conformance Test System)を開発中である。現在は7層の被試験システムシミュレータを試作して、シミュレーション実験を行っている。 [目的(2)について] HBS(同軸ケーブルでデータ、音声、画像、TV情報のFDM伝送)は本来マルチメディアそのものである。近年、マルチメディア指向が急増していることからISDNだけでなくマルチメディアと住宅情報化の観点から調査研究を行った。これらの研究は、大阪市立大(村田教授)、姫路独協大(滑川教授)、東大(羽鳥教授)と協調しながら進めている。 平成6年度に発表した研究成果は、目的(1)に関連して前年度から行っていた3層の試験法をまとめて、1偏の国際会議、1偏の論文とした。又、HBS互換性研究会(委員長:東大羽鳥教授)への出席および国内外の専門家との情報交換により、HAの実用化に向けての調査研究を行った。 今後の予定としては、現在実験中の成果をさらに発展させて論文としてまとめる予定である。
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