研究概要 |
交付期間内の研究目的は、HBS(ホームバスシステム)情報ネットワークに関する以下の内容である。 (1)筆者らが提案した3層の適合性試験法を応用して、7層の適合性試験法を定義し、その有効性の実証実験を行う。 (2)7層に関連して、ISDNとHBSのゲートウエイを試作し,ISDNとの融合性を研究する。 [目的(1)について] 平成6年度までに新たに得られた知見(3層の適合性試験法で提案したUT-Upper Tester)の概念を7層とのインタフェースとして拡張可能)を基に、Communication & Telephone系、House Keeping系およびAudio Video Computer系のコマンド類とプロトコルを記述したテストスイ-トを定義し、データベース化した。また、適合性試験プログラムを開発し、シミュレーション実験による提案方式の有効性について行った。達成度は、現在70%程度である。 [目的(2)について] 科研費でISDNシステム(INSネット64-Dチャネル)を導入し、HBSとのゲートウエイをパソコンシステムで試作し、ISDNとHBSを接続して実験中であるが、まだ良い成果は得られていない。HBSは本来マルチメディアバスであるが、近年話題のFTTH構想とは異なっている。マルチメディア社会と家庭内情報化の観点(HBSとISDNやインターネットとの融合)から、問題点の抽出と解決法検討のために資料収集と調査を行い、多くの成果を得た。また、画像情報の圧縮と伝送の研究も行ったが、これらの成果も含めて平成7年度は、著書1、論文3編、国際会議1編、学会発表4編の論文とした。 今後の予定は、ISDNと融合させた遠隔適合性試験システムとして発展させる。また、マルチメディアバスとして注目され始めているIEEE1394バスを検討し、HBSのマルチメディア伝送問題に取り組む予定である。
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