研究概要 |
設計された大規模集積回路の動作検証においては ・大規模な回路を一括して検証できること ・配線を伝送線路と見なすことで,反射の影響やクロストークの検証が行えること が最重要課題となっている.本年度においては,これら2項目についての検討を実施した. より大きな規模の回路を詳細に(詳細な回路シミュレーションレベルで)解析することは,現実的には,困難であるため,大規模回路の部分ブロックをマクロモデル化する方法が考えられる.また,伝送線路を二端子対回路でモデル化することで,配線の始端,終端の電圧のみを詳細に検証する方法が考えられる.そこで、本年度(平成7年度)においては, 1)特性インピーダンスの一般化モデルを組み込んだ緩和技法に基づく多相伝送線路回路シミュレータの開発及び高速化技術 2)ハードウエアの動作記述モデルを伴う大規模回路シミュレーション技術 に関する検討を中心に研究を行った. 1)については,従来,我々が開発してきた集中定数系回路の緩和シミュレータDESIRE3を基本とする伝送線路回路シミュレータDESIRE3T+を開発した.その結果,標準的な回路シミュレータ(例えば,SPICE)の数倍〜10倍の速度でシミュレーションが実行できるようになった. 2)については,これまで,我々が開発してきた階層分割を利用した回路シミュレータSPLITに動作記述によるマイクロモデルを組み込むことにより,アナログ/デジタル混載回路のためのマルチレベルシミュレータを開発した.
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