研究課題/領域番号 |
06650442
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
三宮 信夫 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (60026044)
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研究分担者 |
中峯 浩 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助手 (70217826)
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キーワード | モデリング / シミュレーション / 魚群行動 / 水槽実験 / 非線形システム / 自律分散システム / 運用漁具 / 海洋牧場 |
研究概要 |
1.固体数の多い魚群の行動モデルとして、群の重心の運動と重心のまわりの魚群形状とに集約したモデルを新たに提案し、水槽実験データに基づいてパラメータを決定し、シミュレーションによりモデルの妥当性を確認した。 2.魚群行動モデルの理論解析を行うために、個体数の少ない事例(2尾および3尾)に対して、非線形微分方程式で表されるシステムの安定な定常状態と個体の運動形態の関係を考察した。またパラメータの変化による定常解の推移および分岐現象をシミュレーションにより検討した。それによれば、2尾の場合、固有速度の大きい個体が先頭になり他方がそれに追従して直線運動をする状態が最も多かった。一方3尾の場合、個体の位置関係が一定で軌道は円の運動が最も多かった。ただし、位置関係が周期的に変化し軌道が閉じないで花模様を描く例も存在した。 3.群れに対する環境からの刺激が、群れの各個体にいかに伝わって行動に影響を及ぼすかという問題をシミュレーションにより考察した。環境の例として、固定漁具、運用漁具、障害物および異種の個体を取り上げた。それぞれの例において、魚群の各個体は自分が刺激を受けると同時に、他の個体の情報も自分のセンサーで知ることができる。そのとき、どちらかを優先して自分の行動を決めるか、その結果群れは維持できるかあるいは分裂するかという問題をシミュレーションにより定量的に考察を加えた。これらの結果は、海洋牧場における魚群行動の推定および制御を考えるための基礎的なデータとなり、有用である。
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