研究概要 |
本研究では,複雑に依存しあう現実の様々な意思決定における最適化問題が,ファジィ情報のもとでの,大規模多変数でしかも複数個の相競合する目的を考慮して行なわれなければならないことに着目し,そのような状況のファジィ回帰分析手法等による知的ファジィ情報処理の概念にづく大規模多目的ファジィモデリング手法の導入を試みた.また,ファジィモデリング過程でのパラメータに含まれるあいまい性や,定式化された問題に対する意思決定者の判断のあいまい性を共に考慮した大規模多目的ファジィ最適化の概念を基本とする,対話型意思決定手法を開発した.さらに,一般の連続変数の場合のファジィ多目的最適化問題に対する申請者の開発済みの対話型ファジィ意思決定手法や大規模最適化手法に,ニューロコンピューティングやGAなどの近年注目されている手法の望ましい特徴を取り入れることにより,大規模多目的ファジィ非線形組合せ最適化問題にも対処し得るような,人間性を尊重した新しいソフトコンピューティング手法の開発を試みた.しかも,近年特に性能の向上がめざましいパソコン上で,対話型ソフトコンピューティングシミュレータを開発すると共に,大規模多目的ファジィナップサック問題,大規模多目的ファジィスケジューリング問題などを含む,数多くの線形のみならず非線形の,大規模多目的ファジィ組合せ最適化問題への応用を試みることにより,提案した新しい対話型多目的ファジィ・ニューロ・GA情報処理技法の概念に基づくソフトコンピューティング手法と対話型ソフトコンピューティングシミュレータの有効性を示した.
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