研究課題/領域番号 |
06650446
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研究機関 | 富山県立大学 |
研究代表者 |
片山 勁 富山県立大学, 工学部, 教授 (50224457)
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研究分担者 |
小林 香 富山県立大学, 工学部, 助手 (70244514)
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キーワード | 広帯域通信ネットワーク / マルチメディア通信 / 非同期転送モード(ATM) / セル多重化システム / 優先処理方式 / ベルヌ-イスケジュール / 全稼働期間処理方式 / 通信トラヒック理論 |
研究概要 |
広帯域通信ネットワーク、マルチメディア通信システムにおける通信品質に関して、特にセル転送遅延時間の評価、分析を重点的に進めた。今期は、セル多重化システムにおける処理遅延時間特性を、計算機を用いたシミュレーションと通信トラヒック理論に基づく解析的方法の両面から評価し、通信品質設計法の基礎的検討を行なった。マルチメディア通信システムにおいて本質的な問題の一つは、帯域および要求通信品質が大幅に異なる各種のディジタル情報(データ、音声情報、画像情報等)を如何に効率的にバランスして統合処理するか、実現するかであり、その中枢的ノードとしてのセル多重化システムの役割りは大変重要であるからである。 セル多重化システムにおいて、それぞれ要求品質の異なる複数種のセルを如何なる処理規律に従って処理するかの検討を、従来の優先処理方式を含めて進めた。しかし、従来方式の適用を考えると、マルチメディア通信における処理方式としては殆ど不適当であり、新たに制御可能なパラメータを有する以下の二つの優先処理方式は、ベルヌ-イスケジュールに従う方式および一般化された全稼働期間処理方式を提案した。これらの処理方式は、パラメータを適当に調節することによって、所望の要求品質をきめ細かく実現するものである。また、トラヒック理論的にこれらの処理方式の遅延時間特性を求める評価式の導出に成功し、論文化を進めた。 今後は、ネットワーク規模でのトラヒック制御が大きな関心事であり、国内外でその研究が活発化している状況である。しかし、その研究法は計算機シミュレーションが主体となり今まで以上のシミュレータ開発費用と実験時間を要する。また、当初に計画した伝送品質および情報セキュリティ等の問題はその重要性はより一層認識されつつある状況であり、継続研究してゆく予定である。
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