研究概要 |
3値画像処理システムについては、ソフト処理を行うホストコンピュータ(パソナルコンピュータNEC PC-9821 An/T+カラーディスプレイNANAO F557)を購入し、3値画像処理として、雑音除去処理、輪郭線抽出処理、論理微分処理、境界線抽出処理、細線化処理および連結成分抽出処理などのアルゴリズムを考察した。更に、3値画像処理回路を製作する際のアルゴリズムおよび回路動作の確認ができるようなプログラムを作成した。更に、ラプラシアンフイルタやラプラシアン・ガウシアンフイルタを用いた3値輪郭抽出処理において、濃度情報に対してのみの処理を行った。また、3値論理回路の構成において、回路の構成要素である3値基本演算子回路および3値画像処理回路を電圧モード回路で実現した。また、双方向電流モード回路について検討を行った。シミュレーションで動作確認した3値論理回路(あるいは等価回路)をCMOS-ICで実現した。これらの回路は、高集積密度、低消費電力など集積化に有用であるが、更に回路の簡単化が必要である。ここでは、これらの3値論理回路を用いて、画像処理を3値レベルで処理することを考え、従来の2値画像処理に対する3値論理上でのアルゴリズムの確立および3値方式独特の処理の開発を行い、それぞれ比較検討を行った。これらの結果については,研究会および雑誌論文に発表を行った。この結果、これらの3値画像処理には、並列処理による高速化が期待できる。現在、近傍演算における一致の条件をゆるめた同系色処理および3値化しきい値処理を行った輪郭抽出処理を考察中である。
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