研究概要 |
ロバスト制御の中核として,H∞制御が近年盛んに応用されるに至っている。しかし,適応可能なための前提条件はしばしば満たされず,応用時に大きな問題となっている。これは,以下のようにまとめられる。 1.D_<12>,D_<21>のランク条件が満たされない 2.G_<12>(S),G_<21>(S)の零点条件が満たされない 第1項が問題になる場合としてプラントの入出力配置の不揃いがある。また、第2項が問題になる場合として,サーボ問題がある。現状ではこのような問題に対して対処療法的な扱いしか知られておらず,技術者を悩ませている。 申請者はこれまでに、これらの問題の中の一部を解いてきたが、なお未解決の問題が多く残っていた。本研究の目的はこれらの問題を解き、その有効性を実験にて確認し、もって、産業界に寄与することであった。 本年の結果としてこの研究の第1の目的がほぼ達成された。すなわち、第1項の問題に対してはデスクリプター形式を持込んで問題が解かれ,結果は2編の論文(1編は掲載予定、他は投稿中)にまとめられた。また,第2項の問題の内、制御対象が虚軸上の極を持つ問題が解かれ、2編の論文(2編とも投稿中)にまとめられた。投稿中の論文は必ず掲載と確信するが、次ページの論文はこれらの研究の副産物として書かれた3編、および、基礎となる著書を含んでいる。
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