研究概要 |
本年度は一次元速度場計測法を確立することを目的として、マイクロコンピュータで制御される標的駆動架台を作成し、標的通過検出器の出力をトリガとして線形周期変調波を放射し、受信した標的からの反射エコーをネットワークを経由してワークステーションに転送することで標的速度と位置の推定が可能となり、年度当初の研究計画は達成できた。 1.当初の数値シミュレーションで開発した処理プログラムでは送・受波子の位相・周波数特性について全く考慮していなかったが、実験データの処理に当たってこの影響が特に標的速度の推定に悪影響を及ぼすことが確認された。 2.送波→反射→受波に至る伝搬経路での位相・周波数特性の変化をあらかじめ特定の位置に置いた静止標的のエコーから抽出し、その後の補正に用いることで上の問題を解決した。 3.本研究で提案している線形周期変調波と従来からレーダの分野で使用されているチャープ波を距離推定精度に関して比較し、本提案が標的速度に不偏な距離推定法であることを空中超音波実験を行って確認した。 4.信号設計時に採用した温度パラメータと実験時の実際の室温が異なると、受信エコーから推定される標的速度に偏りが生じる。この点の応用可能性については現在検討中である。 以上の成果を3度口頭発表(予定を含む^*)したが、適切な学術雑誌に公表するため現在投稿準備中である。 *12th Sensor symposium(1994.6 Senri),'95信学総大(1995.3 福岡),13th Sensor Symposium(1995.6 Tokyo)
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