研究課題/領域番号 |
06650461
|
研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
伊東 一典 信州大学, 工学部, 助教授 (30043045)
|
研究分担者 |
橋本 昌巳 信州大学, 工学部, 助手 (20242670)
米沢 義道 信州大学, 工学部, 教授 (90020982)
|
キーワード | 盲人用筆記支援システム / 仮想音響スクリーン / 頭部伝達関数 / 音像定位 / 中途失明者 / 文字図形筆記補助 |
研究概要 |
聴覚における音像定位を利用して、中途失明者が文字および図形を筆記するための支援システムについて検討を重ねている。本システムはパーソナルコンピュータ、ペン入力タブレット、音響変換装置、コードレスヘッドホン等により構成され、タブレット上の窓に筆記すると、筆記範囲、ペン先の位置などの筆記情報は音響信号に変換され、仮想音響スクリーンを通して盲人に伝達される。これまで、仮想音響スクリーンの水平方向は両耳間レベル差,垂直方向は周波数差の要素で構成しているが、晴眼時に近い筆記を実現するためには、実空間の音像定期機能を模擬したスクリーンの導入と筆記情報の効果的な音響フィードバック技術の構築が必要と考えられる。 本年度は以下の項目について検討し、有用な知見を得ると共に次年度への足掛かりとした。 1.仮想音響スクリーンの水平方向の要素には、従来の両耳間レベル差に加えて両耳間時間差を導入した。両者の要素量の最適な範囲と組合せについては、実空間における定位を模擬する方法と、ヘッドホン受聴における合成音の定位特性から類推する方法を検討して、効果的な要素量を明らかにした。 2.音響スクリーンの垂直方向の要素については、メル尺度による周波数変化による方法を確立した。また、頭部伝達関数導入の前段階として、正中面の定位に重要な役割を持つ耳介に注目した耳介伝達関数の推定を耳介レプリカを用いて行い、得られた耳介伝達関数から垂直方向の音像の模擬方法について検討した。
|