VDTから放射される磁界の周波数成分を測定することにより、放射磁界の発生源を特定する目的で、平成6年度完成した電磁界測定装置を用いて各種VDTからの磁界を測定し、オシロスコープ(6年度購入)で波形を観測し、FFT処理により周波数分析を行った。観測された磁界の波形は電子ビームを掃引するため三角波であり、その周波数スペクトルはバンドIでは基本周波数が170Hz、バンドIIでは基本周波数は25KHzのそれぞれ第2、第3高調波と続く成分を持っている。 さらにこれらの磁界がVDT周辺でどのような分布を有しているかを、位置精度を高めるため、直径の小さいピックアップコイルを使い観測した。ピックアップコイルからの信号はロックインアンプによりバンドIの基本周波数170Hzと、バンドIIでは基本周波数25KHz成分に分離して測定した。また、VDT正面を0°とし反時計方向に90°づつ回転させ4面での磁界分布を5cm刻みでメッシュを切り行い、各々の点でX、Y、Zの3方向成分を測定し磁界の絶対値とし表し、各々の面の磁界分布を等磁界分布線で表現した。 以上、VDTから放射される磁界の周波数スペクトルやVDT周辺の磁界分布の測定から、磁界発生源はバンドIでは垂直偏向コイル、バンドIIでは水平偏向コイル及びフライバックトランスであることを明らかにした。
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