研究概要 |
1.陽子線プロファイルモニタの製作 富士ゼロックス製リニアセンサFIEC-8M256SPLに蛍光体のGdO_2S_2シートを張り付けた陽子線モニタを製作し,筑波大学陽子線医学利用研究センターでテストを行い,がん治療用の線量分布測定に使用できることが分かった。同時に、CsIのテストも行ったが,これも実用性を示す結果を得ている。ただし,CsIはもろく現在のところ0.4mm厚より薄くできない。陽子線プロファイル測定では分解能が1mm程度で十分なので問題はない。また,アクリルの三角ブロックの間にセンサを挟み込むことにより,吸収線量の測定にも使用できる。 陽子線はパルスで入射するので、5パルスモードを用い,そのうちの4パルス分で測定ができる様になっている。バックブランドの自動補正,移動平均後の感度補正が自動的に行えるようになっている。 2.新日鐵製のセンサのテスト 上記センサでは300ms程度の時定数のチャージトラッピングがあり,走査方式の2次元データの測定においては誤差が生じる。これに対して新日鐵製リニアセンサUA4302を入手し測定を行ったところ,サンプリング周期12msまでは影響がなく,11msで電荷の吸収による応答の減少が見られた。この値は十分小さくセミ2次元化の場合,補正が楽になり,測定精度の向上が期待できる。ただし,このセンサなA4サイズで長さが216mmしかなく用途が限られる。また,光電面がフラットでなく,このままでは,蛍光体を張り付けることが難しいので,加工方法を検討中である。
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