1.平成6年度の一部課題継続 (1)モスタル中に存在する塩化物は、凍結融解作用によって移動し、部分的に高濃度域を生じる。この傾向は、凍結温度が低い場合、又、凍結融解の繰り返し回数が多い場合に顕著となる。 (2)塩化物が作用するとスケーリングは著しくなり、この程度は塩化物の種類やコンクリートの養生条件、水セメント比、空気量などによって異なる。 (3)凍結融解作用を受けると炭酸化は進行しやすくなり、この程度はコンクリートの空気量によって異なる。 (4)炭酸化が進行すると凍結融解作用による質量変化は幾分増加するが、相対動弾性係数の変化は顕著でない。 2.凍結融解作用と塩化物および炭酸化の複合作用 (1)塩化物存在下で凍結融解作用を受けると、炭酸化の進行に影響を及ぼす。 (2)炭酸化が進行すると塩化物存在下でスケーリングは増大するが、劣化機構を含め明確にする必要がある。 (3)凍結融解作用を主要因とした複合劣化においては、強度面からプルオフ強度、反発度または音速、密実性の面から簡易透気速度または簡易吸水係数を劣化指標値とすれば、劣化度を定量的に評価し得る可能性がある。 3.研究成果のまとめ、発表および報告書印刷 平成7年度の研究成果をまとめ、発表した。 また、研究成果報告書としてまとめ、印刷した。
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