研究概要 |
1.強度に及ぼす寸法効果について 寸法175×175×80mm,350×350×80mm、700×700×80mmという相似形で寸法の異なる3種類のコンパクトテンション型供試体を用いて、引張試験を行った結果、供試体寸法が大きくなるほど強度(最大荷重/破壊断面積)が減少することを確認した。その減少率は供試体寸法が4倍になると12%〜16%であった。また、コンクリートの圧縮強度が大きくなるほどその減少率は大きくなる傾向が見られた。 2.破壊進行領域の性状について 寸法効果試験と同じ形状寸法の供試体を用いてX線造影撮影法より、載荷中に供試体の一片に設けたノッチ先端部からコンクリート内部に発生し、成長していく微ひび割れの状況を検出することに成功した。それぞれの供試体における最大荷重時における微細ひび割れの発生状況を比較した結果、ひび割れの進行方向と直角方向の微細ひび割れ領域幅に及ぼす供試体寸法の影響はあまり大きくなかった。一方、その領域のひび割れ進行方向の長さは、供試寸法の比よりもかなり大きな率で増大する傾向があることが分かった。 3.破壊エネルギーについて 最大荷重時までに使用されたエネルギーを、X線造影撮影法によって得られた、そのときまでに発生した微細ひび割れ領域の断面積で除した値は、供試体の寸法が変化してもほぼ一定になる傾向が見られた。
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