研究概要 |
2社・5工場産のパルプスラッジ焼却灰(パルプアッシュ)原試料を,平成6年度に本研究費により購入した微粉砕機(ハンマーミル)を用いてそれぞれのアッシュの最適粉末度と目された4000〜8000cm^2/gの範囲内の2水準の粉末度に粉砕し,それらをセメント質量の10および20%と置換して混入したコンクリート材令1年までの圧縮強度を調べ,予想された各アッシュの最適粉末度の妥当性を検証した。 その結果,材令28日以上における圧縮強度は,アッシュをセメント質量の20%と置換した場合でも総じてアッシュ無混入の場合と同等またはそれ以上の大きさとなり,セメント1kg当たりの強度もアッシュ無混入の場合を上回っていてアッシュの混入がコンクリートの経済性を損なうことはないことが確かめられた。また,各アッシュ2水準の粉末度の違いによる有意な強度差は認められず,各アッシュについて平成6年度に予想した粉末度がほぼ最適であることが確かめられた。 ほとんどのアッシュ混入コンクリートが材令6か月から1年の間に著しい強度の増加を示したことから,パルプアッシュは長期強度発現に寄与する性能を有するものと考えられるが,このような強度発現機構の化学的・物理的検討が今後の課題である。
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