気温20〜45度という状況下で舗装版が圧縮力を受ける場合の挙動を把握するための圧縮試験を実施した。アスファルト舗装版内に敷設する合成樹脂グリッドの種類や位置・層数が圧縮特性に及ぼす影響を考慮しながら、複合版としての圧縮性能や座屈のしかたを把握するよう努めた。その結果 1.合成樹脂グリッドで補強したアスファルト舗装版は、20℃においては補強効果をはっきするが、40℃のような高温になるとアスファルトと合成樹脂グリッドが分離してしまい、合成樹脂グリッドを挿入することが悪影響を及ぼすこと、 2.20℃においては、座屈現象が見られたが、理想的なたわみ形状が得られたのは全供試体の30%程度であり、他の供試体については、端部(荷重載荷点近傍)で大きな変形が生じたりして座屈現象が生じるまでには至らなかったこと、 3.供試体の自重を考慮した座屈荷重の理論解析値を比較すると、実験値が解析値の1/2〜4/5程度となったが、これは端部の支持条件が正確に考慮できないためと考えられること 4.合成樹脂グリッドの種類や位置・層数が圧縮特性に及ぼす影響については、今回の実験からは明瞭な差が見い出せなかったここと 等が成果として得られた。
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