研究概要 |
任意3次元体の表面上の点を用いてその形状を電算機で自動生成する場合,(1)データ量(表面の点座標値)が余りに膨大であり,その量を減少させる方法が必要である場合と,(2)逆に表面を作り上げるにはデータ量が少なすぎる場合の2ケースが考えられる.(1)に対してはフィルターを提案することを試み,距離やz座標値を利用したフィルターを作り,実際のデータ(地形データ)に利用してその有効性を探った.地形のようなデータではこれら両者を適切に与えることにより,対象形状を数少ないデータでもって十分に表現できることが判明した.人工的な対象形状では形状表面に存在する位相幾何学的特性をそのまま活用でき,それを表面の三角分割に利用することは本研究提案者が既に提案した修正デロ-ニ-三角分割に取り入れることが可能である.(2)については4種類の面(3次曲面,ベジエ曲面,Bスプライン,ラグランジェ補間)を準備して,少ないデータとユーザが選択した関数を用いて面を作り出す手法を提案した.更に少ないデータ(数個のデータ)しか与えられない場合でもこれら近似曲面を利用できる様に,必要な点データを発生させる手法も提案した. 今一つのテーマは等高線データを用いて表面を三角分割した時発生する棚田現象の解消である.これについては,デロ-ニ-三角分割後,生成された三角形のz座標値を調べ,もし三角形の3頂点が全て同一等高線上に位置する場合,隣接する等高線上の点を利用して三角形を順次修正する方法を提案した.なお,数値実験を行った結果,この方法により棚田現象は殆ど解消できることを確認した. 以上が本年度の研究成果の概要であり,それら成果は論文,国際会議,そして研究発表会等で公表済みもしくはその準備中である.
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