研究概要 |
平成8年度は本研究の最終年度であり,年度の研究テーマは(1)新しいフィルターの提案,(2)地形データとCADデータとの結合法の提案,(3)得られた手法を用いたテストと手法の修正である.以下に,これらの成果を略記する. (1)については,与えられた点分布から点間の距離を一定もしくはそれに近い形,あるいはユーザの指定した点間隔(点密度)で新たな点分布を与える方法を提案できた.この方法は例えば,Sounding dataやContour dataといった不均一な点分布から一様に近い点分布やユーザの指定した距離を持った点分布を求める方法である.この研究テーマは表面形状を良好に設定するために必要なものである.(2)については,個々の対象表面を三角形で分割した後,それら表面同士の交差部(交線)に新しく点を設定し,それを用いて三角形を細分割する方法である.(3)この3年間で提案できた手法を地形を示すコンター・データ,水深を示す等深度線情報,通常用いられるCADシステム,地層構造を示すデータ等に適用し良好な結果を得ている.また,それらのデータが混在する場合についても,本年度提案した方法で交差計算を行い,対象物の複雑な幾何学形状(表面)を三角形集合で表現できるようになった. この3ヶ年の研究期間で任意3次元領域の表面上の点分布が与えられればその表面を三角形で表現する手法を提案できたが,その手法を用いる際にユーザがその形状を十分に認識できていればという条件を付加せざるを得なかった。なお,残された問題点として,(1)提案した手法の信頼性の向上,(2)手法の高速化等が挙げられる.
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