研究概要 |
数値流体解析は、活発に行われるようになってきてはいるが、橋梁の耐風性問題の場合は、橋梁断面が非流線型でスケールが大きいこと、風が制御されていない乱流であること、さらに空力弾性問題に主要な工学的関心があること等々困難な要因がある。さらに、最も大きな問題は、解析で得られた結果と、実際の設計との連携も十分に確立されていないことである。よって、本研究では、これまでの解析手法の研究成果を踏まえた上で、解析で得られる耐風設計上必要な結果をリアルタイムにビジュアル化し、実際の耐風設計に即座に反映できるようにする有効的な手法を開発した。 本研究の基本的な考え方は、解析結果をリアルタイムにビジュアル化できれば、実際の設計現場との連携が可能となり、耐風設計のための基本的なパラメータを数値解析により評価するためのアプローチが明確となることである。 よって、本年度は、2次元問題に限定して、耐風設計上必要な流体解析結果の流速,圧力,橋梁断面に作用する力を、それぞれ解析と並行してリアルタイムにビジュアル化できる手法を構築した。 具体的には、2台の計算機を利用し、1台で数値流体解析を実施し、ネットワークを介してもう1台の計算機に接続されたグラフィックディスプレに結果を示した。さらに結果表示のからグラフィックディスプレにスキャンコンバータを介して結果をVTRに出力できるようにした。これによって、実際の風の流れの変化、橋梁に作用する力の変動等をリアルタイムに設計者にデータ提供ができることなった。
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