研究課題/領域番号 |
06650529
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研究機関 | 大同工業大学 |
研究代表者 |
事口 壽男 大同工業大学, 工学部, 教授 (60047305)
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研究分担者 |
酒造 敏廣 大同工業大学, 工学部, 助教授 (90137175)
水澤 富作 大同工業大学, 工学部, 教授 (60113081)
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キーワード | 疲労 / 腐食疲労 / 微視き裂 / き裂の発生機構 / 破壊力学 / 応力拡大係数 / プロセスゾーン |
研究概要 |
微視き裂進展挙動は安定き裂進展挙動と違って、破壊力学を適用する際、その力学的因子でさえ明確でないのが現状である。マイクロハイスコープを用いてリアルタイムで空気中、および腐食環境中における結晶粒レベルの微視き裂進展挙動の動的観察による (1)き裂発生機構 (2)微視き裂進展挙動 (3)表面と内部における微視き裂進展挙動 (4)微視き裂領域のda/dNと微視き裂長さの関係(6)微視き裂進展速度と応力拡大係数との関係を検討した。そのまとめは以下のとおりである。まず、空気中のおいて、(1)微視裂のき裂伝播は、クラック先端を起点として荷重軸方向に対しほぼ45度と135度方向に成長したプロセスゾーンを形成し、き裂がこの2つのプロセスゾゾーンの境界近傍の結晶粒界に沿って進展することを明らかにした。(2)内部の微視き裂進展挙動においても結晶粒界に沿って進展していることを確かめた。(3)安定き裂においては、粒界破壊と粒内破壊が観察されるが、微視き裂領域においては、結晶粒界破壊だけが観察された。(4)微視き裂の成長特性は安定き裂の下限値界以下でも成長することを明らかにした。(5)安定き裂に関する応力拡大係数で、実験結果を整理すると、微規き裂領域では応力拡大係数が増拡大係数が増加するとともに、裂進展速度は小さくなり、安定き裂領域との間で停留する現象があることを確認した。 腐食環境中においては、き裂の発生に伴い、亀裂部からの漏水を防ぐために試験片と腐食セルボックスの間にBiodenフイルムを貼りNacl水溶液中での微視き裂の動的観察も可能にした。結果は以下の通りである。(1)同応力条件での△Kとda/dNの関係では、腐食中が空気中よりもda/dNが高く、△Kの下限界値は、腐食中のほうが低い値を呈する。(2)腐食環境下でのき裂長さとda/dNの関係では、繰り返し応力の低下に伴い微視き裂・安定き裂ともにda/dNは低下している。(3)腐食環境下での△Kとda/dNの関係では、繰り返し応力の低下に伴いda/dNは低下する。(4)腐食環境下での繰り返し応力の低下により、き裂発生時間は遅れ腐食中のほうが空気中よりも低応力にも係わらず、き裂発生が速い。
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