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降雨浸透に起因する自然あるいは人工斜面の崩壊現象を的確に予測するためには、斜面内部の地下水状態や降雨浸透挙動の把握が重要である。この問題は不飽和浸透流の卓越する現象であり、数値解析手法による飽和-不飽和浸透流解析手法が極めて有効な解析手段である。
しかし、入力パラメータとして重要となる不飽和土の浸透特性や初期・境界条件である間隙水圧分布、含水比分布を定量的に把握する原位置計測法は未だに確立されておらず、これらの情報の欠如が解析精度に及ぼす影響は大きく、地盤工学的に多くの研究課題が残されている。
本研究では、斜面の崩壊現象の的確な予測方法の端緒を得るため、飽和・不飽和浸透特性、間隙水圧・空気圧および含水状態の新しい計測手法の開発、ならびに比抵抗トモグラフィー手法および浸透解析手法と最適化手法による3次元ジオトモグラフィーの高精度解析技術の開発を行い、飽和・不飽和地盤特性の原位置計測法の確率を目的としている。当該年度では、以下の研究を行った。
(1)比抵抗電気探査装置(現有設備)を用いて不飽和地盤の含水状態を、また、高精度圧力変換器を用いて間隙水圧および間隙空気圧の計測を行う。この際、タイムラグや長期安定性の問題点を改良し、複数点での計測情報を高速処理するために光磁気ディスク装置を組み込んだマイコンによって制御する高精度計測システムの作成を行った。
(2)その性能試験として長さ300cm、深さ100cmの大型土槽(現有設備)を用いて、豊浦標準砂およびまさ土による室内地盤モデルによって行った。試験条件として、降雨による地表面からの浸潤とその後の乾燥、間隙空気圧の閉塞の影響、上載荷重による地盤内応力の変化、地盤内の温度変化等を検討した。
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