研究概要 |
今日、大深度の地下空間の利用に関する研究の重要性は深く認識されている。その際、ベントナイトと砂の混合した材料を充填して地下空間の長期安定を図ることが考えられている。このような人工的な地盤材料に対して、弾粘塑性論的な立場からその挙動を予測するための構成式を導く過程や長期安定性の性能を評価する上での指標を明確にすることが本研究の目的である。 本研究においては、Na系ベントナイト混合土について、飽和状態,不飽和状態の試料に対し力学試験を行った。ベントナイト混合率10%土については砂質土的であることがわかり、不飽和状態の力学挙動を表現できる構成式を提案した。また、ベントナイト混合率20%,30%土では、粘性土的な性質が卓越することを明らかにした。さらに、ひずみ速度を極めて遅くできる緩速三軸圧縮せん断試験機を用いて、Na系ベントナイト混合砂の力学挙動に及ぼすひずみ速度の影響を調べること、またベントナイト混合率20%土の構成式を提案することを目的に、ベントナイト混合率10%,20%土を対象にひずみ速度を、0.005,0.0005%minと変え、拘側圧100kPa,300kPaについてせん断試験を行った。 その結果、力学挙動においてはひずみ速度の影響はほとんどないこと、変形挙動においてはひずみ速度が遅くなると体積変化が大きくなることをつきとめた。また、ベントナイト混合率20%土の構成式においては、不飽和土用三軸試験機を用い、不飽和土特有のパラメータであるサクションを制御した実験により、ベントナイト混合率10%土の構成式を適用できることが明らかになった。次年度、構成式に用いる材料定数の決定方法を検討する。
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