研究課題/領域番号 |
06650551
|
研究機関 | 愛知工業大学 |
研究代表者 |
成田 国朝 愛知工業大学, 工学部, 教授 (90064956)
|
研究分担者 |
奥村 哲夫 愛知工業大学, 工学部, 助教授 (70078913)
建部 英博 愛知工業大学, 工学部, 教授 (10064940)
大根 義男 愛知工業大学, 工学部, 教授 (00064931)
|
キーワード | 安定解析 / 遠心載荷 / 支持力 / 地盤破壊 / 斜面安定 / フーチング / 三次元 / すべり面 |
研究概要 |
遠心載荷装置を用いた支持力実験の継続として、傾斜砂地盤の天端面に矩形載荷を行った場合の破壊形態と支持力特性を調べた。実験は地盤工学会の研究委員会で提案された一斉支持力実験の仕様に従い、着色・無着色の標準砂を互層に敷き詰めて模型地盤を作成し、破壊後に断面を切り出してすべり面の観察を行う方法を採った。傾斜地盤の場合は斜面傾角と法肩からの余裕幅が支配要因として加わるが、支持力値やすべり面形状と基礎形状比(L/B)の関係、あるいは寸法効果などの基本的な特性は水平地盤と同様な傾向が見られた。ただし、傾斜地盤と水平地盤の支持力比が0.5〜0.6で、斜面の存在による支持力低下がかなり大きいこと、傾斜地盤ではすべり面が明瞭に観察され、その形状は対数ら線で精度良く近似できること、などが注目された。 盛土及び自然斜面の三次元すべり破壊の形態と基礎地盤形状との関連性を調べる実験では、遠心載荷装置の土槽内にアルミ板で組立てた谷形状の傾斜した基礎地盤を作製し、その上に砂質盛土を構築した後に、遠心加速度を加えながら前面に設置した壁を移動させて強制的に斜面を崩壊させ、実験終了後に盛土を切り出して(盛土内に設置した素麺の切断位置を特定して)すべり形状を観測した。今回は谷幅を変えた実験だけ行ったが、(1)谷幅が広くなるほど側方からの拘束効果が薄れるので、すべり破壊の規模(深さや長さ)が大きくなること、(2)実験で観測されたすべり面を用いた斜面安定解析でも同様の傾向を示し、谷幅の拡大に伴って三次元安全率が二次元安全率に漸近する特性が認められたこと、などが特徴的な知見として挙げられる。なお、遠心実験でも基礎と盛土材料の接触面の処理や盛土の作製方法の影響が顕著であったので、今後は実験精度の向上を図りながら実験ケース数を増やして種々の要因の影響を系統的に調べたいと考えている。
|