利根川の河道にそう約5kmの範囲にわたって洪水流航空写真解析を行い、その流況を解析した。同時にその地域の高水敷の標高を検討することによって堆積状況を判読し、流況解析結果と比較検討した。その結果、高水敷には2種類の堆積構造があることが判明した。 一つは河道湾曲部凸岸近傍の低水路内に生じる堆積で、低水路河岸に沿って細長くかつ厚く発達している。この堆積は、低水路湾曲部凸岸で形成される強せんだん層が河岸から剥離して大規模渦列を形成し、それらが下流へ移流されながら低水路中の高土砂濃度の流れを巻き込んで河岸近傍に取り込むために生じるものであることが判明した。 もう一つの堆積構造は、低水路の流れが高水敷上に乗り上げ、高水敷上を流下することにともなって形成されるものである、高水敷上への乗り上げ部の直下流部には比較的高い畝状の堆積があり、それより下流に行くにつれて堆積厚さは徐々に減少している。この畝状の堆積は、流れの高水敷への乗り上げによって洪水流の流速が急激に低下するためであることが洪水流の流況解析から明らかにされた。 高水敷周辺の局所洗掘機構に関しても洪水流況との関連で検討がなされた。 これらの検討結果に基づいて、湾曲複断面流れの最適平面形状に関する実験的研究を現在進めつつある。
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