研究課題/領域番号 |
06650565
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
出口 一郎 大阪大学, 工学部, 助教授 (00029323)
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研究分担者 |
小野 正順 大阪大学, 工学部, 助手 (80214188)
椹木 亨 大阪大学, 工学部, 教授 (60028975)
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キーワード | 礫浜 / 反射波制御 / 透水性斜面 / 非線形長波理論 |
研究概要 |
2次元水槽内に設置した透水性斜面(平均粒径2cm及び4cmの捨石で作成した勾配1/15、1/10及び1/5の3種類の傾斜面)上の波変形、平均水位変動及び斜面からの反射特性について実験的な検討を加えた.また、比較のため、同じ勾配を持つ不透過斜面を設置した場合の実験も行った.実験波は0.8s〜2s、波高5cm〜10cmの規則波と搬送波の最大波高がほぼ8cmの2成分波(基本周期1s、周期差0.05s〜0.25s)である. その結果、規則波が入射した場合の斜面前面での反射率はいずれの場合の15%以下ではあるが、斜面勾配が緩やかなほど、入射波の波形勾配が大きいほど、斜面の透過性が大きいほど小さいことが明らかになった.また、2成分波が入射した場合も、各成分波の周期の波に対応する周波数の反射率は、それぞれ単独の規則波を発生させた場合の反射率と同様の傾向を示したが、波群に拘束された長周期波の反射率は斜面勾配の減少に伴って若干減少する傾向を示したが、透水性には関係なく、いずれの場合も80%以上の値となった.すなわち、斜面透水性とすることによった短周期波の反射率は制御可能であるが、長周期波の反射率は制御出来ないことが分かった. 一方、斜面上の砕波帯内での平均水位は、透水斜面上では顕著な上昇を示さず、不透過斜面上の水位上昇とは際だった差異が現れた.また、斜面上での波高変化は、透水性の増加に伴い砕波水深が減少し、砕波波高も減衰する.このような波高減衰は、非線形長波理論に透水性及び底部せん断力によるエネルギー逸散を考慮することによって精度よく推定できることが分かった.
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