(1)画像解析より得られた数多くの実験データに基づき、傾斜プルーム先端部の無次元先端移動速度などの流動特性量を定量化した。また、先端部の体積変化率と後続部から先端部に送り込まれる流量フラックスを求めることにより、底面傾斜角度θ=5〜90゚の範囲で、連行係数を含む諸特性量をθの関数として定量化した。 (2)傾斜プルームの後続部を一次元非定常漸変流、先端部を一次元非定常流としてモデル化し、周囲流体の連行量、先端部に作用する抵抗力を考慮した一次元積分モデルを構築した。さらに、モデルの予測精度について検討を加えた。本モデルが優れている点は、(a)流入条件と底面傾斜角度を与えるだけで、先端部および後続部の全ての未知量を計算できること、(b)非定常な流入条件に対しても適用できること、(c)θ=5〜90゚の広範囲な条件に対して適用可能であることなどである。 (3)画像解析より得られた数多くの実験データに基づき、傾斜サーマルの無次元先端移動速度、などの流動特性量を定量化した。また、θ=5〜90゚の範囲において、連行係数を含む諸特性量をθの関数として定量化した。 (4)傾斜サーマルを一次元非定常流としてモデル化し、抵抗力を含む一次元積分モデルを構築するとともに、先端移動速度、層厚、平均浮力の解析解をを求めた。さらに、モデルの予測精度について検討を加えた。本モデルが優れている点は、(a)抵抗力が考慮されており、抵抗係数がθ=5〜90゚の範囲で同定されていること、(b)モデル適用にあたって必要な仮想原点位置が明らかにさてれいることなどである。 (5)傾斜プルーム先端部と傾斜サーマルの流動特性量について比較検討を行った。その結果、無次元先端移動速度を除き、両者の間に著しい相違がないことを明らかにした。
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