研究概要 |
平成7年度は、前年度の成果を基にして、以下の点に関する検討を行った。 1.直線河道が安定川幅に到る過程のうち、河道幅が縮小することによって安定川幅に到る過程に関する検討を行った。ここでは実験的研究を主として行い、砂礫(あるいはガラスビーズ)で構成された水路に、wash loadを伴う非定常の流れがある場合には、その減水時においてwash loadの水路側岸部への堆積が生じ、その結果、河道幅が狭まることが明らかになった。近年、この過程を支配する要因として植生の存在が重要であることが指摘されているが、本研究により、流れの非定常性によるwash loadの堆積のみの作用によっても川幅縮小が生じることが示された。なお、これを説明する数値解析モデルの構築も行った。これについては、来年度の土木学会年次学術講演会において公表するほか、数値解析の終了を待って、土木学術論文集に投稿の予定である。 2.裸地斜面に形成される流路網に関する実験的研究をさらに押し進め、流路網が形成されるメカニズムならびに形成条件を明らかにした。これについては、水工学論文集,第40巻に掲載され、あわせて第40回水理講演会にて公表する。 3.河道の網状化に関しては、前年度の実験を補足する形で実験的検討を進め、流路の形成機構に関するいくつかの知見、例えば、浸透流の影響を明らかにするとともに、流路の網状化に伴う流砂量の時間変化などについての知見を得た。15EA05:研究最終年度にあたるため、前年度からの成果も含め、最後の取りまとめを行った。
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