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本研究の目的は、都市開発に伴う交通インパクトを事前に予測するシミュレーションシステム(tiss-NET)の開発を行い、地区レベルへの適用に適した新しい経路交通量予測モデルを構築することである。具体的には、a)配分シミュレーションにおける経路選択のメカニズムについて、認知心理学の分野の研究成果を取り込みながら、新たな経路選択モデルを構築する、b)システムのグラフィカル・インターフェース機能の強化を図る、c)大型車混入の考慮、交差点の微視的考慮、などを行う、d)駐車場案内誘導システムなどの情報提供手法に対する運転者の反応を考慮したシステムを構築する、といった点を目的としている。本年度は、次の点についての研究を進めた。
1)自動車運転者の選択経路獲得及び選択メカニズムの解明:自動車運転者の経路選択メカニズムを解明するために、認知心理学の成果を踏まえた分析を行った。実験・調査は次の2種類である。第一の実験は、市街地道路において自動車運転者がどのように経路を獲得していくか、といういわゆるWayfinding 問題を扱い、実際に来訪経験のない運転者を被験者とした実走行実験によって経路獲得・選択のメカニズムを解明した。第二の実験では、ある程度来訪経験のある運転者について、渋滞状況などに対応した動的な経路選択の可能性について、経験量などの個人特性や情報板などの外部情報などが経路選択に与える可能性を分析した。
2)tiss-NETシステムの改良:従来開発してきたtiss-NETをWINDOWS上に移植して使用環境を向上させた。その他、プログラムの必要な改良を行ってユーザーフレンドリーなシステムの構築を進めた。
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