研究課題/領域番号 |
06650609
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
土木環境システム
|
研究機関 | 九州共立大学 (1995) 九州大学 (1994) |
研究代表者 |
森山 克美 九州共立大学, 工学部, 助教授 (80157932)
|
研究分担者 |
荒尾 慎司 九州共立大学, 工学部, 助手 (20258338)
楠田 哲也 九州大学, 工学部, 教授 (50037967)
|
研究期間 (年度) |
1994 – 1995
|
キーワード | エネルギー / 経済費用 / 費用・便益 / 水循環 / 下水道 / 下水処理 / 排水処理 |
研究概要 |
下水道を対象に、エネルギーの消費、回収、および必要用地面積の観点から現行施設の状況を整理し、さらに現在用いられている「経済性」の尺度での下水道技術の選択結果について考察を加えた。具体的には、下水道のエネルギー消費状況と回収可能エネルギーの評価、処理プロセスと処理場用地面積の関係の評価を行なった。また経済的に外部化されている環境影響要因も考慮できるように、施設の建設、運転、維持管理に要する費用から下水道を評価できる経済費用見積関数を提案し、現行の「経済性」のもとでの地域特性に応じて選択される下水道方式について検討した。 ついで、地球環境、地域環境保全をも含めた視点で、水循環を支える社会基盤施設である下水道システムの在り方を検討するにあたり、処理に関わる汚染物質の環境への負荷を「社会的費用」という概念で推定するために必要となる基本的事項を検討した。この結果を基に、処理に関わる汚染の社会的費用を「予想的回復費」を基に推計する手法を例示するとともに、「社会的費用」を従来の直接的な処理費用に加えた「総合費用」という視点から施設を評価した。 以上で検討した直接的費用である建設・維持管理費用、社会的費用という視点に加えて排水処理に関わる費用負担とそこから得られる便益という視点を検討した。これによって、直接的費用、社会的費用、便益という三つの視点からシステムを総合評価することが可能となることを示した。このような総合的評価により、実際の投資や費用負担が持つ便益の具体的な意味と達成度あるいはその効用の限界をより深く認識することが可能となり、システム選定の環境政策的意義の認識に有効なことが示された。
|