研究課題/領域番号 |
06650611
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研究種目 |
一般研究(C)
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
藤井 滋穂 立命館大学, 理工学部, 助教授 (10135535)
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研究分担者 |
市木 敦之 立命館大学, 理工学部, 助手 (90268152)
天野 耕二 立命館大学, 理工学部, 助教授 (80167957)
合田 健 立命館大学, 理工学部, 教授 (70101037)
山田 淳 立命館大学, 理工学部, 教授 (80066696)
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キーワード | 生物学的窒素除去 / 活性汚泥法 / ステップフィード / 循環 / 学論解析 / 化学量論 / 数値実験 |
研究概要 |
本研究は、既存の下水処理場でも適用可能なステップフィード嫌気好気活性汚泥法の最適設計・操作条件の解明を目的として、(1)理論的考察(2)数値実験(3)装置実験(4)現場調査の4点より検討している。3年計画の初年度の本年は、それぞれについて下記の成果を得た。 理論的考察では、すでに考慮しているアルカリ度・NH4-N・NO3-N・基質CODのほかDOを加えた。その化学量論に基づき、流入水水質・好気槽DOおよび操作条件でシステムの理論的窒素除去率を算出することに成功した。その結果、単純な好嫌気循環法の場合、従来の式のように循環率・返送率の増加で窒素除去が上昇するのではなく、通常下水で10倍程度の循環率で除去は上限となり、それ以上では低下することが示された。 装置実験で、嫌気好気の条件を変えられる12槽(各槽容量0.7L)の直列する生物反応槽と最終沈殿池からなり、2カ所の流入を持つ装置を3基作成した。試運転の後、アルカリ度/基質COD比が小さい流入下水での実験を、ステップ率を変化させて実施した。その結果、アルカリ度、NH4-N、NO3-N濃度の増減が、化学量論的に進むことを確認するとともに、滞留時間不足の場合、硝化反応が完了せず滞留時間を補正係数を考慮する必要を見いだした。 数値実験では、すでにある処理場水質予測モデルを改良し、今回の装置条件を含め、ほとんどの下水処理場で適用可能なモデルを得た。これによって本実験および文献データの解析ができる準備が整った。 現場調査では、実処理場で流入水質組成を分析するとともにステップフィード好気嫌気活性汚泥法を中心にデータを30例程度文献から収拾した。これらの下水水質および活性汚泥法の設計・操作条件を解析し、硝化・脱窒の両反応について、それが進行するためのMLSS、滞留時間の条件および、窒素除去率に対する流入組成や循環+返送率の影響を検討した。
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