研究概要 |
昨年に引き続き,真瀬川水系の中の又沢(以下真瀬1とする)および一ノ又沢(以下真瀬2とする)について4月から12月まで毎月1回計9回採水し水量および水質を調査した。粕毛川については道路事情により,昨年同様6,8,10月の3回採水し調査した。昨年は雪解けによる増水期以外は流量変化が少なく,水質の変化も少なかった。本年は春の雪解けはほぼ同様であったものの,7月から降水が多く,この時期の流量は昨年同期の3〜5倍にも達した。とくに8月の粕毛川は大増水で推定流量が10m^3/secと昨年の8倍にも及んだ。したがって,流量による水質の変化が若干見られた。Ca^<2+>,SO_4^2などの地質成分は流量の増加で濃度は減少する。一方,降水中に含まれる,Na^+,Clなどは各種の要因が加味され,明確な相関は得られなかった。真瀬2および粕毛川はCa^<2+>,SO_4^2が常に多く,これはこの地域の地質成分によることが明確になった。 2年間にわたる水質調査の結果から,各渓流水について負荷量や比流量等からデータを検討し,各種の結論や推論を得た。また,陽イオンと陰イオンの当量合計の関係を求め,分析値としてほぼ妥当であることが確認できた。表1に今年度の主な測定値の平均を示す。 表1 95年度各渓流水の主な測定値平均(mg/l) 採水渓流 dist(m^3/s) pH alkali COD TOC TN Na^+ K^+ Ca^<2+> Mg^<2+> Cl NO3 SO_4^2 真瀬1 2.70 6.70 2219 0.769 1.88 0.264 7.79 0.29 5.12 2.10 9.38 0.45 6.74 真瀬2 1.25 6.70 16.94 0.563 2.72 0.258 7.80 0.30 6.23 3.01 8.14 0.51 13.00 粕毛川 5.16 6.81 17.74 0.741 1.67 0.226 6.59 0.44 6.81 2.03 6.70 0.54 11.75
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