1.新旧コンクリート打ち継ぎ面の接着性能を知る方法として、シュミット等が考案した付着割裂試験法を応用した方法を提案するための本研究は平成6年度および7年度の2年間にわたって継続される予定であるが、平成6年度分の研究成果の概要をまとめると以下の通りである。 (1)確実に打ち継ぎ面で付着割裂破壊を生じさせるための試験体の寸法、鉄筋径、かぶり厚さがほぼ確定できた。(2)打ち継ぎ面の仕上げ仕様の優劣が付着割裂強度値の大小と対応しており、打ち継ぎ面の接着性能の定量化の見通しが得られた。(3)打ち継ぎ面接着剤の性能は非常によく、一体打ちの付着割裂強度と同等であることが確認された。 :2.研究遂行上に生じた学術上の問題点としては、(1)水平打ち継ぎ面だけでなく垂直打ち継ぎ面の接着性能の評価も重要でこれの評価も研究に組み入れるべきである。(2)建研式直接引張試験試験法は現場向きとしては簡便であるが、実験室で大量に行なう場合には種々の工夫が必要である、等が浮かび上がってきた。これらの課題の克服はすべて平成7年度の研究に反映させることは論を待たない。
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