研究課題/領域番号 |
06650645
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
笠井 芳夫 日本大学, 生産工学部, 教授 (00058869)
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研究分担者 |
湯浅 昇 日本大学, 生産工学部, 助手 (00230607)
露木 尚光 日本大学, 理工学部, 助教授 (20059611)
松井 勇 日本大学, 生産工学部, 教授 (00059982)
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キーワード | コンクリート / 表層コンクリート / かぶり / 乾燥 / 養生 / 水和 / 細孔構造 / 含水率 |
研究概要 |
計画の「(1)表層コンクリートの品質の把握」について、これまでに作製した試験体について含水率の測定を行い、長期的な含水率分布を把握した。また、乾燥開始材齢の異なるセメントペーストの等温吸放湿性を測定しているが。設定湿度に対し、質量の安定に時間をとってしまっており、来年度の課題となった。 計画の「2」乾燥を受けるコンクリートの水和機構に関する検討」については、乾燥開始材齢とセメント鉱物の減少及び水和生成物の増加量の関係をX線回析、TG-DTA分析により明らかにした。本学部の校舎解体の際に調査を行い、実構造物の品質を把握した。 計画の「(3)コンクリートの細孔構造及び含水率と透気性、透水性の関係の検討」については、乾燥開始材齢、表面からの距離によって細孔構造に変化を与えた試験体の含水率を調整し、細孔構造(細孔径分布の測定は来年度)、含水率と透気係数、透水係数の関係を明らかにした。その結果、乾燥開始材齢が早いほど、乾燥表面に近いほど、含水率が低いほど透気係数、透水係数は大きいことをその程度とともに把握した。 計画の「(4)表層コンクリートの強度分布の測定」については、計画では微小硬度から強度分布を推定することとしたが、微小試験体の細孔構造と強度との関係から圧縮強度の分布を推定する方法によることを優先し、細孔構造と圧縮強度の関係を明らかにした。この結果及び微小硬度計(来年度他学科に設置予定)による結果に基づく、強度分布の推定は来年度の課題となった。 計画の「(5)表層コンクリートの品質と耐久性の関係の検討」については、これまでに作製した含水率、細孔構造の不均質性を既に測定した試験体を促進中性化及び1年間北海道泊原発近くの海岸に暴露した。その結果、乾燥開始材齢が早いほど、中性化の進行、塩分の浸透が早いことをセメントごとにその程度とともに明らかにした。また、乾燥開始材齢の異なるW/C60%、空気量4.5%のコンクリート供試体を凍結融解試験に供し、表層部の細孔構造が粗い乾燥開始材齢の早い程コンクリートのスケーリング量は大きいことを明らかにした。
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