研究概要 |
福岡市教育委員会および小・中学校長会との間で、アンケート項目・内容について意見調整が長引き、冬の室内環境に関する教師へのアンケート調査が平成7年4月中旬まで延期された。したがって、研究実施計画書に記載された通りには進んでいないが、これまでに得られた知見は以下のようである。 1.小学校144校中25校(除湿無:15枚,除湿有:10校)と中学校68校中22行(除湿無:15校,除湿有:7校)を対象として、エネルギー消費構造の実態調査を行った(1992年4月〜1993年3月)。 1)電気、ガス、灯油および水道消費量の月間変動と年間消費量を調べて一次エネルギー換算した。 2)小学校では全消費エネルギーに占める電気消費量の比率は60%以上であり、学校求職を行っていない中学校の場合には90%以上になる。 3)灯油は、主には職員室の暖房用に使用されているので、12月〜3月の時期に集中して消費される。 4)全エネルギー消費量と延べ床面積の関係、即ちエネルギー原単位を作成した。小学校(除湿無)が47、同(除湿有)が54、中学校(除湿無)が33、同(除湿有)が40(kcal/m^2・y)である。 2.小学校144校中11校(除湿無)を対象として、校長または教頭とクラス担任教諭1名に対して教室環境(光・熱・音・空気・水・その他)に関するヒアリング調査を行った。 1)夏の熱環境は劣悪であり、特に西面・最上階の教室は午後からは暑くて授業に集中できない。 2)光・日射調整は、薄手のカ-テンで行っているが、通風を得るため窓を開けているとカ-テンがひらひらと舞い、思うように調整できない。 3)冬は寒いので窓を閉め切った状態で授業を行うが、空気が汚れて息苦しさを感じる。 4)教室の窓側と廊下側では、気温分布が非常に大きい。廊下、階段、壁等に結露が生じる。 3.ヒアリング調査結果に基づいて、教室環境に関するアンケート項目を検討して用紙を作成した。
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