人口の増大と建築の大規模化によって建築の地球環境に与える影響はますます大きくなってきている。この様な観点に立つと建築材料の性能評価は、その使用時・建設時だけでなくライフサイクルを通して総合的に評価することが重要になってくる。この研究では、建築材料のライフサイクルを材料採取、製造、建設、供用、維持保全、解体、廃棄処理、回収再生、輸送、保管の各段階に分け、各段階ごとの資源採取量、エネルギー使用量、CO_2使用量などを調査し、ライフサイクル性能を構法別に比較しその評価方法と構法別評価を得ることを目的とする。 平成6年度に、木材、コンクリート、金属、プラスチック等の主要建築材料がそのライフサイクルを通して、地球環境に与える影響について調査を行い、その結果を概略まとめ、材料によってライフサイクル性能を評価する上で特に重要な段階に違いがあること等を明らかにした。また、複合建築材料である石膏ボードについて調査を行いその特徴について考察した。 平成7年度は、ライフサイクルの各段階の内、特に廃棄段階についての調査を行ない、また、廃棄物を減らすために必要なリサイクルの問題を取りあげ、主要建築材料の再加工工程における環境負荷の度合いを調べ、それによって構法別に評価を行いその特徴を明らかにした。このために、再生加工工程のモデルをつくり、解体廃棄物の回収率、副資材投入量、副産物排出量、再生加工性能、エネルギー消費量により評価するものとした。この結果、主要建築材料の再生加工時の環境負荷を構法別に概略明らかにできた。最終的に、昨年度までの調査結果と本年度の研究結果をまとめ整理した。
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