平成6年度の研究概要 建築雑誌等から景観整備の行われている251地区の事例を抽出、その目的・規模から10項目に分類できた。 更にこの10項目251地区の中で、景観整備の際、特に企画設計者の思い描いたイメージを明確に記載していた整備事例73地区を選出、この地区に対して、企画設計者・行政といった整備の担い手への景観整備のイメージ及び手法に関して、郵送アンケート調査を行った。 その結果、思い描かれた景観イメージの観点からでは、地域文脈を生かして整備を行う地区と地域文脈が表現されていない独創的な地区の2つに大別された。整備に対する展開の仕方・位置付けからでは、景観整備のイメージに、歴史資源活用型、モチーフ利用型、まちづくり型があることが求められた。 更に、近年増加傾向のモチーフ型とまちづくり型に対して、景観整備のイメージ・整備手法の双方の実地調査から、行政主体型、企画設計者主体型、行政・企画設計者共存型といった関係があると予想される。 そこで、景観整備を推進する上での担い手に関してと、イメージから実際に整備を行った具体的な手法の大きく2点に関して、ヒアリングとアンケートによる調査実施した。 平成7年度も継続して調査することでより詳細な分類・傾向が導き出せると思われるが、今年度実施した18地区(集計途中)に対してのヒアリング調査とアンケート調査からは、景観整備に対する担い手の時系列的変化と、それに伴う景観整備のイメージ変化が伺えられる。整備手法の実地調査から、建築物に関する手法と外部空間に関する手法に大別でき、さらにいくつかの傾向(現在17項目)があることが認められた。さらに、実地調査等を継続することでより明確になると考えられる。
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