本研究は、総合図の機能に着目して、設計と施工の情報統合のあり方を検討するとともに、それをベースとした情報統合ツールの概念的研究をおこなうことを目的とした。平成6年度当初の研究計画とその実施状況について以下に述べる。 1.総合図の機能分析:総合図の収集、入力、データベース化をおこなうことにより総合図の内容を分析する。 これについては、現状総合図を導入している大手組織設計事務所2社、公共発注1主体から総合図の収集し、整理をおこなった。 2.総合図作成のプロセス分析:総合図作成のプロセスを担当者のヒアリングによって明らかにする。 大手設計事務所の監理部門で総合図導入に積極的な役割を果たした数名の方にヒアリングした。また公的発注者による庁舎建築工事において発注者、設計者、施工者が参加する総合図の打ち合わせ会に同席し、総合図の機能について理解した。この打ち合せの記録から発注図から総合図へ変換される過程で変更、付与される内容をデータベース化した。平成7年度は、以下の内容をおこなう予定である。 総合図の使われ方分析 総合図の実際の使われ方を担当者にヒアリングによって明らかにする。 情報統合ツールとしての総合図の位置付け 本研究のまとめをおこなう。主に、デザインレビュー、欧米で提案されている、ビルダビリティ、コンストラクタビリティの観点からの総合図の位置付けをおこなう。
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