本年度は、24時間生活施設における、入所者の居室や生活関連の諸室が、居住性の観点からいかなる水準であるかを分析した。病棟と老人ホームの病室や居室など入所者の寝室に割り当てられている単位空間、デイルーム・食堂・娯楽・談話室などのようなパブリックスペース、また浴室・洗面・便所・湯沸かしなどの設備的スペースについて、実際の環境水準を入居者とスタッフに判定調査を依頼した。その結果居室に関して広さ・使い易さについて5割の患者が不満を訴え、6床室とその他の病室・窓側と廊下側のベッドで明らかな差違が認められた。什器等ではロッカー・床頭台・電話・案内表示・ベッド・病衣に使いにくさの訴えが多いことが分かった。 設備スペースについては狭さ・使いにくさ・暗さ・臭気・換気の訴え比率が高い傾向を定量的に把握した。 入居者の属性をみると、年齢層、性差、入所期間で有意な差が認められ、特に高齢者・男性に訴え比率が低いことが顕著であることが明らかとなった。 更にアンケート分析によって問題のある入所施設について、空間と什器家具の寸法測定と写真撮影を行い、要因分析を行った。
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