1967年、生活環境の判定基準に基づいて選定した東京都内8地区において、児童の遊びとその環境に関する調査研究を行った。本研究は、調査時から20年以上経過したが、調査票を再集計するとともに、8地域の中からいくつかの同一地域を対象に、生活環境の変化の推移を把握し、その上で、子どもの遊びとその環境の変容過程を検証することを目的としている。 1967年調査では、手集計のため、児童の遊びとその環境の相関を検討していない。今年度は、転記されていた中間集計の電気計算機による再集計をし、遊びや生活などの実態のままではなく、生徒がどのようにとらえ、感じているか、全般的に把握するために因子分析などを行った。 分析に用いた指標は、検討の結果、交通手段、交通事故、友人数、通塾・稽古などの26項目とし、主因子法でバリマックス回転を行い、因子得点を求めた。 結果、第4因子まで抽出されたが、寄与は第1因子が58.5%、第2因子が12.4%で、累積寄与率は70%を越えるため、第2因子まででおおよそ説明されると考えられた。 第1因子は活動的な因子であり、第2因子はどちらかといえば静的な因子と考えられた。例えば、男子の因子得点分布図はその特徴を如実に表しており、練馬区、杉並区は人口密度が低くいことなどが影響し、活動的な生活をしていることが認められた。その他、興味深い結果が得られている。
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