研究課題/領域番号 |
06650699
|
研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
保野 健治郎 近畿大学, 工学部, 教授 (50088572)
|
研究分担者 |
大森 豊裕 近畿大学, 工学部, 助教授 (60088599)
難波 義郎 近畿大学, 工学部, 助教授 (40125125)
|
キーワード | 火災 / 死者 / 延焼 / 避難 / 消防 / 防災 |
研究概要 |
本研究では、平成6年度に引き続き消防局などの資料について調査分析を行い、死者発生パターン等の火災被害を把握するとともに、火災被害の拡大防止および建築的および消防的対策の効果・有効性について調査することを研究目標とした。しかし、昨年度より神戸市消防局に提供して頂いた資料に基づき分析を行なっていたが、偶然にも阪神・淡路大震災が研究対象地区に、しかも研究継続期間中に発生し、平常時のみならず地震時の火災に対する被害の軽減策がクローズアップされ、平常時の消防力で地震時の消防対応・消防計画に言及する必要が生じた。そこで、今年度は当初の研究計画とは多少異なるが、平常時の対策をふまえた上で、地震時をも考慮に入れた被害軽減策の探求を行った。 まず、平常時の神戸市における過去11年間の火災による死傷者の発生推移および出火原因、死者発生パターンについて分析した。被害の軽減策としては、火災の各段階で建築的、消防的ならびに被災者の行動様式等にかかわるきめ細かな具体的な対策の必要性について考察した。つぎに、地震時における火災被害の軽減策については、不確定要素のなかで色々な対策が必要となるが、我が国の「消防力・消防水利の基準」は平常時を前提としたもので、今まで地震時に対応する消防力の考え方が必ずしも明確になっていないのが現状であることがわかった。そこで、平常時を中心に地震時をも考慮した消防計画および消防力の基準に対する提案を試みた。一方、平常時および地震時にかかわらず火災による被害を軽減するためには、国民が各年齢に応じ、また様々な場所で被害にまきこまれず生き残るための防災・安全教育を行っていく必要性を考察し、その活動案を検討した。
|