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1994 年度 実績報告書

パウル・ティリッヒの建築理念とプロテスタント教会建築論に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 06650710
研究種目

一般研究(C)

研究機関九州大学

研究代表者

前川 道郎  九州大学, 工学部, 教授 (30026736)

キーワードパウル・ティリッヒ / プロテスタントの教会建築 / 文化と宗教 / プロテスタント建築論 / 究極的関心 / 内実あるいは実質 / 聖なる空虚 / 聖化と誠実
研究概要

本研究は本年度新たに着手した新しい研究であるが、パウル・ティリッヒによる建築論ならびに芸術論に関する文献はおおむね入手し、精読し、おおかたの邦訳を完成した。彼の「文化の神学」に関する諸著作もかなり収集し、読解中である。その結果二編の研究報告を執筆したが、それらにおいては、「聞く」ことを重視するプロテスタントにおける「見る」ことの意義を明らかにしたあと、まず、ティリッヒの実存的生涯を建築論的に素描した。そしてティリッヒの建築論の根底をなす「文化と宗教」についての概念の詳細な検討をつづけているが、とりわけ、「宗教は文化の内実(実質)であり、文化は宗教の形式である」というように要約されうる「宗教と文化の本質的相互帰属の原理」を諸著述や諸文献によって詳細にあとづけた。そして「宗教とは、究極的にかかわっていること、すなわち究極的にかかわっている関心を抱くことである」とするティリッヒの実存的態度について詳細に追跡した。
さらにまた、ティリッヒの建築論の全容を概観して「パウル・ティリッヒと建築論」と題する九州大学最終講義を行った。それはつまるところ、聖化の原理と誠実の原理の終局的な統合としての「聖なる空虚」ということであろう。ティリッヒの建築論そのものと神学的根底との総合的な解釈は今後の課題である。
一方、近代教会建築家ピエトロ・ベルスキ論やノルベルグ=シュルツの教会建築論もおおむね入手し、精読を進めている。また、比較的近年に注目すべき教会堂を建設した複数のプロテスタント牧師と面談し、教会堂観を拝聴した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 前川道郎: "パウル・ティリッヒの芸術論・建築論について1-ティリッヒという人-" 日本建築学会九州支部研究報告. (1995)

  • [文献書誌] 前川道郎: "パウル・ティリッヒの芸術論・建築論について2-文化と宗教-" 日本建築学会九州支部研究報告. (1995)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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