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1996 年度 研究成果報告書概要

日本中世近代の住居観に関する建築論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 06650711
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 建築史・意匠
研究機関広島工業大学 (1995-1996)
九州大学 (1994)

研究代表者

西垣 安比古  広島工業大学, 環境学部, 助教授 (10208168)

研究期間 (年度) 1994 – 1996
キーワード明恵 / 高山寺 / 花宮殿 / すまい / 場所 / 歌 / 空 / 兜率天
研究概要

高山寺における明恵上人の修行の場所を巡って考察した。この寺に建てられた上人の最初の庵室である練若台、この練若台を引き継いで建てられた花宮殿と羅婆坊、そして座禅の場所であった縄床樹、遺跡窟の位置を特定し地図上にプロットした。また、庵室が建てられていたと考えられる平坦地や、現存する基壇状の石垣等について実測調査を行った。さらに、『明恵上人歌集』を資料として上人の修行の場所、特に花宮殿の場所論的意味を巡って考察し、その本来的在り方は「入れば二空の理を見る」ことにあり、それはその場の雰囲気・気分(Stimmung)を歌に詠み留めること、あるいは「名づける」ことを契機として成立することを指摘した。この「見る」ことも「名づける」ことも主体-対象の分離を前提とせず「二空」に収斂する。そこでは内外の分別すら超越されているにもかかわらず、それは「入る」ことができる場所であった。人観の場所、すなわち「二空の理を見る」ところは「心すむ」場所であり、本来的意味における「すまう」ことの成立する場所であったが、それは同時に途上の場所でもあることが明らかとなった。
最後に仁和寺所蔵「梅尾禅堂院御庵室差図」を巡って「高山寺縁起」「高山寺明恵上人行状」などの文献資料を基に考察し、それが明恵上人臨終の道場であったことを明らかにした。そして、そのことを基として「高山寺明恵上人行状」の明恵上人臨終の場面の描写との関連において、仁和寺所蔵「梅尾禅堂院御庵室差図」に描かれた庵室について従来とは全く異なる解釈を示した。
以上の考察を基として「池亭記」「方丈記」「徒然草」などとの関連のもとに明恵上人の住居観の解明を試みた。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] 西垣安比古: "韓国の住まい-オンドルとマル" 韓国文化. 6-9 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 西垣安比古: "明恵上人の臨終の場所としての禅堂院をめぐって" 日本建築学会大会学術講演梗概集. 305-306 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 西垣安比古: "世界象徴としての家-『四輪亭記』をめぐって" 高麗美術館館報. 3-7 (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 西垣安比古: "明恵の「すまい」の場所と『明恵上人歌集』" 日本建築学会大会学術講演梗概集. 271-272 (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] NISHIGAKI YASUHIKO: "DWELLING OF KOREA" KOREAN CULTURE. 6-9 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] NISHIGAKI YASUHIKO: ""ZENDOIN" AS MYOUE'S FINAL DWELLING PLACE" SUMMARIES OF TECHNICAL PAPERS OF ANNUAL MEETING ARCHITECTURAL INSTITUTE OF JAPAN. 305-306 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] NISHIGAKI YASUHIKO: "A HOUSE AS THE WORLD SYMBOL" KORAI MUSEUM GAZETTE. 3-7 (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] NISHIGAKI YASUHIKO: "THE PLACE OF MYOUE'S DWELLING AND "THE COLLECTION OF MYOUE'S POEMS"" SUMMARIES OF TECHNICAL PAPERS OF ANNUAL MEETING ARCHITECTURAL INSTITUTE OF JAPAN. 271-272 (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 1999-03-09  

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