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1994 年度 実績報告書

衝撃圧縮による高臨界電流密度を有する酸化物超伝導体の開発

研究課題

研究課題/領域番号 06650732
研究機関熊本大学

研究代表者

頓田 英機  熊本大学, 工学部, 教授 (90040386)

研究分担者 安藤 新二  熊本大学, 工学部, 助手 (40222781)
高島 和希  熊本大学, 工学部, 助教授 (60163193)
キーワード酸化物超伝導体 / 臨界電流密度 / 衝撃圧縮
研究概要

本研究では、Y系ならびにBi系(Bi2223およびBi2212)酸化物超伝導体について衝撃圧縮を行ない、微視構造ならびに超伝導特性におよぼす衝撃圧縮の効果について検討した。その結果、以下に示す結論が得られた。
(1)Y系酸化物およびBi系酸化物とも、衝撃圧縮によって密度比95%以上の高密度成形体が得られた。しかしながら、出発粉末に比較してTc(onset)、反磁性とも低下し、超伝導特性が劣化した。X線回折の結果、衝撃圧縮後の試料では、回折ピークにブロードニングが生じるとともに、回折角度にわずかな変化が認められた。成形体中の酸素量を同定した結果、Y系、Bi系酸化物ともに衝撃圧縮後、成形体中の酸素濃度が低下していた。
(2)衝撃圧縮後、Y系酸化物については1193K、Bi系酸化物については1118〜1123Kで熱処理を行なうと超伝導特性が回復したが、酸化物中の酸素濃度は通常の焼結条件で熱処理を行なっても衝撃圧縮前の状態まで回復しなかった。また、臨界電流密度(Jc値)も通常の焼結プロセスによって作製されたバルク材と比較して、大きな向上は認められなかった。
(3)以上の結果は衝撃圧縮によって酸素欠損が生じ、これは本研究において行なった熱処理条件では回復できないことを示唆している。本研究において衝撃圧縮した試料のJc値が組織の改善から予測されるほど大きくなかったのは、衝撃圧縮後の熱処理によって、酸素富化が十分に行なえなかったことを意味している。したがって、酸素が十分に富化できるような熱処理条件の探索が今後の課題である。

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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