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1994 年度 実績報告書

リチウムイオンの挿入・脱離に伴う酸化物電極の結晶構造および電子構造変化

研究課題

研究課題/領域番号 06650745
研究機関京都大学

研究代表者

金村 聖志  京都大学, 工学部, 助教授 (30169552)

キーワードスピネル / マンガン / リ-トベルト解析 / 電子スピン共鳴 / リチウム / 構造変化 / 固相反応 / 酸化物
研究概要

遷移金属酸化物中へのリチウムの挿入あるいはそれからの脱離反応は、エネルギー貯蔵の観点から重要であり多くの研究がなされてきている。本研究においては、特に結晶構造と電子構造を関連させてリチウムの挿入・脱離反応を明らかにすることを目的としている。本年度はスピネル型の結晶構造を有し電子構造と結晶構造の相関が強いと考えられるLiMn_2O_4を用いてリチウムの脱離に伴う結晶構造変化をX線回折法により、また電子構造を電子スピン共鳴法を用いて調べた。リチウムの脱離に伴う構造変化についてリ-トベルト解析を用いて格子定数の精密決定を行ったところ、これまでには観測さていなかった格子定数の変化をとらえることができた。この結果、新規の構造変化を提案した。一方、電子構造について電子スピン共鳴法を用いて研究を行った結果リチウムの脱離に伴うMnイオンのスピン変化を測定することができた。この点については、現在理論的なモデルから考察を行っている。さらに、非常に興味深い発見として、電子構造的に独立したMn^<2+>に帰属されるピークを観測し、この結果を基に新規に提唱した結晶構造変化が妥当性の高いものであることがわかった。また、これらの結果からスピネルLiMn_2O_4のリチウムの脱離に伴う固相反応について、これまでに報告さていない新しい現象を発見した。ここで得た結果はエネルギー材料としてのスピネルLiMn_2O_4にとり重要な知見である。他の遷移金属酸化物についてもX線回折と電子スピン共鳴の測定を並行して行うことにより、これまでに見いだされていない物性変化をとらえることができるものと期待している。

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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