研究課題/領域番号 |
06650750
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
黒田 一幸 早稲田大学, 理工学部, 教授 (90130872)
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研究分担者 |
小川 誠 早稲田大学, 教育学部, 講師 (60233425)
菅原 義之 早稲田大学, 理工学部, 助教授 (50196698)
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キーワード | インターカレーション / 光機能材料 / 層間化合物 / ポリジアセチレン / アゾベンゼン / 粘土鉱物 / フィルム |
研究概要 |
平成8年度は、機能有機化合物の固定化手法をさらに探索し、また機能有機化合物の光反応についても検討した。 1.有機アンモニウムイオン(Me_4N^+、Et_4N^+)、アンモニウムイオン(NH_4^+)、アルカリ金属イオン(Na^+、Li^+)、でイオン交換したサポナイト薄膜層間にジアセチレンを導入し、紫外光照射により重合を試みた。重合反応の進行は、有機アンモニウムイオンで交換したサポナイト層間ではほとんど進行せず、層間での立体的要因が反応を制限したものと推定された。また、層間のイオンをNa^+に固定して、いくつかの粘土鉱物を用いたところ、粘土鉱物のイオン交換容量が増加するに従って重合反応が容易に進んでおり、Na^+イオンによるジアセチレンの配列制御が重合反応を容易にした可能性が示唆された。 2.層状粘土鉱物であるフッ素四ケイ素雲母(TSM)をアルキルアンモニウムでカチオン交換し、その層間へのアゾベンゼンのインターカレーションを行い、さらにこれを薄膜化した。基本面間隔が増大しており、またUV-Visスペクトルでアゾベンゼンの吸収ピークが見られたことから、インターカレーションが確認された。生成物は紫外光照射によりアゾベンゼンのトランス体による吸収ピーク強度が減少し、さらに可視光照射によりこの吸収ピーク強度は回復した。これより層間におけるアゾベンゼンの光異性化反応が可逆的に起ることが確認された。また、その挙動は温度及び層間のアルキル鎖の鎖長の違いにより異なることが明らかとなった。
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