1.ウイスカーのパルスCVD成長装置 窒化チタンおよび炭化ケイ素ウイスカー成長用装置を2系統作製し、下記の研究結果をフィードバックして、改造を重ねた。主な改良点は次の2点である。 (1)1パルスごとに入れ代わるガス量を規定するため、出口弁の外に容量可変のサブ容器を付けた。 (2)ガス入口にアルミナウ-ル帯を設け、初期異常析出を起こさせて、流入ガスの過飽和度を最適化させた。 2.窒化チタンウイスカーの成長と組織制御 (1)基質を溶融石英とし、塩化金酸(1.3g/l)を液滴形成剤としたとき、1050℃において1パルスだけ原料ガスを導入したのち、30分保持し、金滴へのケイ素子溶解を待ってからパルスCVDに移ることが肝要であった。 (2)成長温度は1035℃付近の狭い温度範囲が最適であることがわかった。上述のサブ容器容量の調節を行った結果、圧力差100Torr(760〜660Torrの間のパルス)が最適で、ウイスカー成長領域は、流通法の約20mmに対して、約150mmに拡大し、ウイスカーの成長密度は7x10^6/cm^3に達した。 (3)四塩化チタン濃度が0.1〜0.5%でも膜形成はほとんど見られないため、この濃度が最適であった。 (4)成長時間については、1パルス2.5秒とするとき、10分までがエンブリオ成長、10〜20分長さ方向への成長、以後二次核発生となるため、20分が最適であった。 3.炭化ケイ素ウイスカーの成長と組織制御 ニッケルが滴形成に最適で、1100℃付近で白色ウイスカーが密生し、1400℃付近では黒褐色の長いウイスカーがまばらに成長した。
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