振動測定による欠陥検出に関して2つの研究を進めた。 まず、繊維束破断、層間はくりなどの欠陥を含んだガラスロービング複合材料を成形し、その静的特性、振動特性を測定し、欠陥による機械的性質の変化との関係を調べた。とくに粘弾性特性、エネルギ損失係数の測定に重点を置き、これについては機械技術研究所との共同研究を行った。その結果、欠陥の存在によって弾性率は必ず低下するが、欠陥の種類によっては、損失係数の変化する場合と、変化しない場合のあることが明らかとなった。このことから逆に欠陥の種類を同定することが可能である。この研究結果の一部は第24回FRPシンポジウムに於いて発表した。 二つ目の研究としてウィスカ/プラスチック系複合材料を取り上げ、界面破壊によって生じる欠陥を動的特性の変化から検出することを現在研究中である。
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