研究概要 |
初年度の研究目的とした、非結晶状態の炭素繊維強化可塑性ポリイミド樹脂の耐熱性に関わる力学特性を明らかにするのためにクリープ変形に注目した。繊維容積混入率が0,3.5,7.6,15.6%の4種のCFRTPについて、温度域160℃,190°,220℃,250℃から280℃の5条件を選択し,各混入率材料別に,また各温度別にクリープコンプライアンス曲線を求めた。この各繊維混入率毎のクリープコンプライアンス曲線群より,マスター曲線を作成した。その水平移動量と試験温度との関係を調べた結果,供試材料のクリープ現象がアレニュウス型の線形粘弾性理論に従い変形することを明らかにした。さらに,繊維混入率の変化の粘弾性特性への影響を調べるため全ての混入率のマスター曲線を水平と垂直の2つの移動因子を用いて,使用した材料全体のマスター曲線を作製した。その結果,1本のマスター曲線となることが確認され,全混入率の材料を通してアレニュウス型の線形粘弾性変形する事実を確認した。これらの成果は日本機械学会に論文投稿を行った。 ポリイミド樹脂の結晶化が機械的性質に与える影響を明らかにするため、結晶化の温度と継続時間の確立を計り、希望する結晶化度の試験片を作製することを可能とした。さらに曲げ特性への結晶化の影響を明らかにし,その一部を機械学会にて発表した。 恒温恒湿槽を使用し,炭素繊維強化可塑性ポリイミド樹脂についてホットウェット処理とその機械的性質への影響を調べる事を目的としたがまず予備試験としてAFRPを用い、この処理の強度への研究し,その結果の一部を既に報告した。
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